はじめに
野球自体の能力が有名私学より劣り、しかも、練習時間や設備などの環境も劣ってしまう公立高校が、
どうすれば勝てるのか?
どうすれば甲子園に行くことができるのか?
強豪校の裏を書く秘策、練習の質ですよね。
ほとんどのチームは、同じように反復練習とその質を高める。
短時間だからこそ、集中力を高め、質を高めようとします。
要は結局、反復練習に落ち着いているわけですが、今日は少し違う角度から提案をしてみようと思います。
運動学習の観点から、一つの可能性を話します。
反復練習をやめてみませんか?
練習というと、やはり反復練習です。
一つの動作が意識しなくてもできるような状態です。
武道などではこれを”型”とも呼びます。
同じことを繰り返し繰り返し反復して、その動作を身につけます。
これを運動学習理論でいうと、ブロック練習とか固定練習と言います。
この反復練習は、動作を体に覚え込ませるために行っています。
反復練習は効果を実感しやすく、
練習において手応えを感じることができる事と、
日本人は修行のイメージとも重なり好まれているのだと思います。
精神的にも鍛えられている感じがしますよね。
反復練習(固定、ブロック練習)は以下のような感じです。
AAAA BBBB CCCC
こんな感じで、同じ動作を切り分けて繰り返してます。
多様性練習をもっとやるべき!その日の手応えではなく。
反復練習も動作習得には大切なんですが、
ある程度まできたら(特に大会前は)
多様性練習を多くした方が良いのではないか?という仮説です。
ランダム練習とも言います。
多様性(ランダム)練習とはこんな感じです。
ABCC BACA BBCAA
つまり、固定化された練習、同じ動きの反復ではなく、
違う動きをランダムに行ったり、バリエーションを加えて練習させる方法です。
この練習方法には手応えを感じることができません。
しかし、この図を見てください
(筒井清次郎 2006)
練習直後の動作習得は反復(ブロック)練習の方が良いですが、その後は明らかに多様性練習の方が良いですね。
これを1年間続けてみたと考えると、反復練習が多くを占めていると
「3年間頑張った!あれだけやったんだから。」
という自信が力みを生み、実際に大事な場面で良い動きができない確率が高くなりそうですよね。
動作や練習内容が頭や体に定着する=保持
基本動作がどんな状態でも自然とできる=転移
という運動学習が反復練習よりもかなり高いレベルで起こります。
野球は特に
ティーバッティング
トスバッティング
キャッチボール
ボール回しなど
様々な練習があるのですが、決まった練習になりがちです。
そこのバリエーション(距離、スピードなど様々な要素)を変化させて、やりたい動作を引き出すということをもっとやっていくべきかもしれません。
実践練習や試合よりもカオスな状況、心理プレッシャーを与えられる練習を作り出す。
そういった理論に基づいた練習をすることがこれから勝ち続けていくには必要なのかも。
そういうエッセンスを入れられるのは、トレーナーの仕事ですし、うまく融合できればなと考えています。
まとめ
・毎回同じ環境・条件下において練習を積み重ねれば一時的なスキルアップはおこるし、手応えもあるが、それが長期的には効果的ではない。
・動きのバリエーション、練習方法のバリエーション、環境のバリエーションなど様々な多様な練習を組み合わせる練習は、スキルアップに即効性はないものの、長期的な効果が高い。
・手応えではなく、本番での勝利のために、頑張った感ではなく、結果を求めた練習をするべき。
反復練習が悪いわけではない、うまく組み合わせることが重要。
こんなとこです。
これをもとにもう一度自分も自身の活動に取り入れてみようと思います。
それにしても悔しい。
ほなの。